講師
医療法人 峰歯科・矯正歯科クリニック 院長
峰 啓介
こんにちは、峰歯科・矯正歯科クリニックの峰啓介と申します。
まずは、矯正治療についての私の考え方をお話ししたいと思います。
最近、iPS細胞により、山中教授がノーベル賞を取られたのは、記憶に新しい事です。
どんどん、再生医療というのが加速していきそうです。
実際、歯の再生の研究についても進んできているようです。
もしかしたら、何年か先には臨床応用されることになるかもしれません。
さらに、もっと予防歯科の知識を浸透させていけば、虫歯自体が減っていくこともあり得ます。
現在、自費といえば、MBなどのセラミック系やゴールドなどの保険では使えない材料の補綴物。
また、欠損補綴としての義歯、これらが従来からの自費治療。
そして、いわゆる『自費率』が高い歯科医院というのは、やはりインプラントですよね。
インプラントをどれだけ多く打てるのか、というのが自費を左右しているような節はないでしょうか。
不幸にして、虫歯になってしまったり、歯を失ってしまったりした人たちのためには、必要な技術です。本当に困っている人たちが、助けられます。
そうなのですが、歯科医師の使命として、そうならないようにする、それが一番大切なような気がします。
つまり、これらの自費治療というのは、現在研究していること、歯科医師が目指しているところとは、反対の方向にあるものだと思うのです。
そして、歯科医師の研究が成功してきた暁には、縮小していくものだとも思うのです。
とした場合、今後、今ある自費治療で残っていくものは、矯正治療ではないかと考えています。
そんなことは、分かっているけれども、どうすれば良いんだよ?
みたいな声も聞こえてきそうです。
確かに、矯正治療を分かりやすく解説したような教科書はありませんよね。
どうやって始めれば良いのか?迷うところです。
矯正治療を始めようと思ったら、まずは普通矯正科に入ります。
矯正科に入らないとなかなか有効に矯正治療を勉強する機会がありません。
それでは、矯正科に入った場合、矯正の専門医の人たちはどのような勉強をするのでしょうか?
歯科大学を卒業されている方ならば、矯正実習は学生の頃にされていますよね。
セファロ分析や、模型分析などをして、診断をしたはずです。
結構訳分からなかったんじゃないかと思います。私も学生の頃そうでした。
矯正科に入ると、やっぱり同じように分析して診断します。
歯並びは、人によって千差万別です。
ですので、決して同じ症例というのはありません。
だから、それぞれの症例で入念な検査をして、その症例に合った治療方針をオーダーメイドするというのが矯正の診断です。
最初は訳分からないのですが、数多くやるので何となくパターンが分かってくるという感じです。
ここで重要な事は、そのパターンを矯正科で教えてもらう訳ではないということです。
私も、数多く診断しているうちに、自分の中でパターンが出来上がっているなという事に気付き始めます。
実際そのパターンをまとめてみることができないかと考えました。
これが、フル矯正のススメです。